鹿野芸術祭01

《開催記録》

ひやまちさと × wakruca(音と空間のインスタレーション)

会場:しかの心2階(2017年9月9,10日)

 

 

「ひやまちさと × wakruca」さんによる、音と空間のインスタレーション作品「うまれるまえのへや」の様子です。

 

光の粒のような絵の裏に透けて読める詩、ひょうたんスピーカーから流れる音楽、風で揺れる大きな布によって、お母さんのお腹の中にいるような、なんとも言えない懐かしい感覚になります。

大人も子供も寝転んで、全身で作品を味わっていました。

 

この作品は、これをきっかけに発展していく事になったそうです。

今後の活躍をお楽しみに!

三谷さやか(染織・刺繍)

会場:旧熊谷邸(2017年9月9,10,16,17,18,23,24日/ 23,24日は夢本陣2階)

 

三谷さやかさんの展示の様子です。

過去の制作で使用されなかった布を、自分の畑で育てた藍やマリーゴールドを使って自分の手で染め、金糸や染めた絹糸で刺繍しながら縫い合わせた作品です。

染めた時に使った植物の種を蒔き、今年の畑で育てた植物が吊り下げられています。

布と植物がちょうど親子の関係になっていて、植物の命のサイクルも伺えます。

 

会場は、「旧熊谷邸」という鹿野町の中でも一番歴史があると言われている、国指定の重要文化財です。

この家にお住いの方とも一緒に芸術祭を企画してきましたが、ちょうど期間中に出産を迎えられ、新しい命が誕生しました。

それに伴い、来場者の方にも協力して頂き、会場を移動しました。

終始アットホームな雰囲気で、文字どおり家族が増えたような気分でした。

 

成瀬望(絵画)

会場:八百屋barものがたり(2017年9月9,10,16,23日)

 

八百屋barものがたり店主、成瀬望くんの絵画展の様子です。

この展示は、芸術祭を企画している宮内が行いました。

 

成瀬くんは一年中夢を語っていて、未だに自制できていません。

一方で亀のような速度で成長し、真似のできない素晴らしいものを生み出しています。

暖かい心の持ち主は、町やこの世界の財産だと思います。

ならば、素人の作品だろうと、どこか人の心に響く力が宿っているはず。

そう思い、アーティストとしての成瀬くんを描きました。

 

旧田中邸(参加アーティスト10名)

会場:旧田中邸(2017年9月16,17,18,23,24日)

 

旧田中邸では、10名のアーティストが展示し、3名のアーティストトークが行われました。

この家は国指定の重要文化財ではありますが、空き家になっています。

下見に来た時は床も、カーテンも、照明もボロボロでしたが、きちんと掃除をしてみれば、見違えるように綺麗になりました。

建物も喜んでくれているはず。

今後はゲストハウスとして活用される予定で、江戸時代の姿に戻すための工事が始まっています。

 

<旧田中邸出展アーティスト>

井上智弘(写真)

宮内博史(絵画)

藤田美希子(絵画)

Gemma Wilson "ヘマ"(イラスト)

Elisabeth Mossbauer "リリー"(イラスト)

Franz Impler "フランツ インプラー"(映像)

Elenor Kopka "エレノア・コプカ"(映像)

Malwine Stauss "マルヴィネ・スタウス"(映像)

Larissa Sharina "ラリッサ・シャリナ"(映像)

山本晶大(映像)

 

杉森康行(絵画)

会場:しかの心2階(2017年9月16,17,18,23,24日)

 

杉森康行さんのしかの心での展示は、一枚だけの油彩画の展示でした。

会場の白い壁に白い絵が一枚だけで、本人は会場にいない事が多く、わかりにくいという声も多かったです。

しかし、鹿野芸術祭への参加が決まってから、200枚程描いた絵から選んだ1枚だそうです。 

スケッチノートが床に置かれていて、作品の制作過程を垣間見る事ができます。

 

杉森さんは、日に日に会場のドアや窓を開ける事ができるようになったと言います。

鹿野芸術祭への参加をきっかけに、本人の心の窓が少しでも開き、今後ますます活躍される事を祈ります。

 

美藤康夫(陶芸)

会場:旧鹿野小学校アトリエ(2017年9月23,24日)

 

美藤康夫さんは、旧鹿野小学校の教室の一つを使い、陶芸の独楽作品を展示されました。

「回り続ける」というタイトルで、81個のコマそれぞれに中国の哲学者、老子の道徳経が彫られています。

美東さんの智頭の窯「風の窯」は、薪で3日間焼き続ける穴窯であり、制作できる数が限られます。

この大作は6年がかりで完成したそうです。

 

老子の時代から受け継がれ回り続け、美藤さんの長い制作期間と共に回り続けたものは、これからもその軸と共に回り続けるでしょう。